倉庫に眠るサーフボードを贈る計画を進める武知会長(左)と実波さん=阿南市桑野町花坂

 2020年東京五輪の正式種目に採用されたサーフィンへの関心が高まる中、阿南市サーフィン連盟が、南半球の島国・バヌアツにサーフボードを贈るプロジェクトを始動させる。サーフィンに適した自然環境にありながら経済的に用具がそろえられない状況を知り、支援に乗り出すことにした。第1弾として3月末に現地を訪れ、ボードを提供するとともに技術指導を行う。

 プロジェクトでは、市連盟の武知和一会長(63)=同市桑野町花坂=が経営するサーフショップにある中古品約100枚を贈る。このほか必要に応じて全国のサーフィン関係者らにも協力を呼び掛ける。

 課題になっているのが輸送費の確保。船便のコンテナで100枚を運ぶには150万円近くかかるとみられ、輸送を支援してくれる企業の募集や募金活動も考えている。

 バヌアツを訪れるのは、武知会長や長女でプロサーファーの実波さん(24)=徳島大大学院2年=ら市連盟関係者5人。3月26日から4月6日までの12日間滞在し、ボード5枚を贈って子ども向けの教室を開く。実波さんら3人は首都ポートビラで開かれるサーフィン大会に出場し、交流を深める。

 市連盟によると、バヌアツはオーストラリアの東方約1400キロに浮かぶ島国で約80の島で構成される。周囲には良好な波を楽しめるポイントがあり、オーストラリアから多くの愛好家が集まる。

 しかし、ボードは現地の平均月収の数倍に当たり、購入できるのは一部の富裕層に限られる。子どもらは板切れに乗るなど、競技環境は十分ではない。

 昨年6月、武知会長が、バヌアツに滞在していた女性客から現地の窮状を聞いてプロジェクトを思い付いた。以前から倉庫で眠ったままになっている中古品の有効活用を模索していた。

 10年以上前から小学校などでの普及活動にも取り組む武知会長は「東京五輪を機に、貧しい国でも夢を抱いてサーフィンを始める子どもが出てくるだろう。ボードを贈る活動を通してサーフィンの楽しさを伝え、他の国にも広げたい」と話している。