昨年1年間に徳島県警に寄せられたドメスティックバイオレンス(DV)の相談は過去最多の405件(前年比11件増)で、このうち男性からの相談が80件と5年間で3倍以上に増えた。県警は「男性も被害を自覚するようになったためではないか」とみるが、女性に比べて支援体制が充実しておらず、専門家は対策の遅れを指摘している。

 県警によると、2013~17年の男女別のDV相談件数の推移は≪グラフ≫の通り。男性からの相談は、13年は26件だったが増加を続けている。相談件数全体に占める割合は、同年の9・4%から14年は10・9%、15年11・0%、16年16・4%、17年19・7%と、相談者の5人に1人に増えた。

 県警は、被害者からの相談内容の内訳を集計していないが、17年の男性からの相談は「金づちでたたかれた」「腰を拳で突かれた」など、妻や恋人から身体的暴力を受けたという内容が目立ったという。妻が暴行容疑で摘発されたケースも1件あった。

 男性の被害が深刻化する中、支援体制は整っていない。DV相談を専門的に扱う県内3カ所の「県こども女性相談センター」で男性は支援の対象外。助けを求められた場合は、県男女共同参画交流センターの相談窓口などにつないでいる。

 DVの研究に取り組む徳島文理大の小畑千晴准教授(臨床心理学)は「経済力があっても(妻や恋人から)逃げ出せないなど、男性被害者は特有の状況に陥りやすい。女性とは違ったアプローチが必要で、支援体制を確立していくべきだ」と話した。