初の被災地訪問に向けて踊りの練習に励む会員=徳島市の津田コミュニティセンター

 遭難した漁師を慰霊する徳島市津田地区の県指定無形民俗文化財「津田の盆(ぼに)踊り」が、東日本大震災から丸6年となる11日、宮城県南三陸町の復興住宅で披露される。昨夏、盆踊り保存会の会員から「七回忌の節目に被災地で踊りたい」との声が上がり、初の被災地訪問を計画した。会に所属する18~84歳の有志30人が現地を訪れ、盆踊りなどを通じて犠牲者を弔う。 

 南三陸町では、震災で町民ら620人が亡くなった。保存会の会員が徳島県を通じて宮城、岩手、福島の3県に受け入れ先を尋ねたところ、南三陸町内の2カ所の災害復興住宅が「踊りを見ながら犠牲者に思いをはせたい」と快諾した。

 11日は午前10時半から南三陸町の志津川東復興住宅で、午後1時半からは同町の戸倉災害公営住宅でそれぞれ踊りを披露する。夫を亡くした妻役の女性が「もんてこーい」と犠牲者の魂に呼び掛けた後、踊り子たちは阿波踊りの原型とされる踊りを繰り広げる。

 地震発生時刻の午後2時46分には黙とうをささげるほか、両住宅で1時間ほど住民と歓談し、被災者の悲しみに寄り添う。

 会員は、昨年12月から毎週1回のペースで徳島市の津田コミュニティセンターに集まり、歌や踊り、鳴り物の練習を重ねている。10日朝に徳島市を出発して仙台市に1泊した後、南三陸町に向かう。踊りを披露した後は福島県会津若松市に泊まり、12日夜に徳島市に戻る予定。

 保存会の圓藤正徳会長(76)=同市津田町3=は「会員の強い思いがあって、今回の訪問が実現した。被災者の悲しみを少しでも和らげるような踊りを見せたい」と話している。