「食と農」を生かした観光の取り組みを紹介したシンポジウム=美馬市美馬町の山人の里

 徳島県西部4市町など、農林水産省の「食と農の景勝地」に認定された全国5地域の関係者らによるシンポジウムが11日、美馬市美馬町の交流促進簡易宿泊施設・山人の里であった。今後の認定を目指す地域も含め、14道県から約150人が参加し、食文化や景観を生かした観光客誘致などについて学んだ。

 東洋文化研究者のアレックス・カーさんが「ニッポンの景観論」と題して基調講演。日本と外国との景観の違いについて「ドイツや米国などでは山肌をコンクリートで覆ったりせず環境に配慮した公共工事を行うが、日本は観光地でも鉄塔や電線、看板が目立つ」と苦言を呈した。

 パネルディスカッションでは、一般社団法人・そらの郷(さと)(三好市)の出尾宏二事務局次長が「地方の伝統食を通じ、多様性のある和食文化を世界に発信できれば」と強調した。食と農の景勝地十勝協議会(北海道)の野村文吾理事長は「地方には探せば必ず独自性がある」と訴えた。

 認定を目指す新潟県十日町市の柳雅士農林課主査(37)は「認定地域は食と農に加え、歴史や文化、景観を生かして人を呼び込んでいる。地域を巻き込んでムードを盛り上げたい」と話した。

 参加者はシンポジウムに先立ち、傾斜畑が広がる猿飼集落(つるぎ町)や、国重要伝統的建造物群保存地区の落合集落(三好市)などを視察した。

 同景勝地は、地域の食文化や景観を生かした訪日外国人旅行者誘致の取り組みを支援するため、農水省が本年度に創設。シンポジウムは認定地域などの連携、交流を進めるため初めて企画した。