[上]箸蔵駅を通過する「四国まんなか千年ものがたり」=三好市[下]試乗会で軽食を楽しむ乗客=JR土讃線

 4月から土讃線で運行するJR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の特別試乗会が21日あり、沿線の関係者37人と共に大歩危-琴平駅間で乗車した。山深い渓谷をゆったりと走る和風の列車は、非日常の上質な時間を演出していた。

 案内された車両は「秋彩の章」と命名された3号車。車内は古民家をイメージした造りで、木材とオレンジ色のランプが温かい雰囲気を醸し出している。

 列車は大歩危駅をゆっくりと発車した。程なく大歩危・小歩危の渓谷が見えてくる。通常の特急列車が最高120キロで通過するところを15キロで進み、エメラルドグリーンの川面や奇岩をじっくりと眺めることができた。

 アテンダントが軽食を運んできた。小ぶりな遊山箱の中にすし、サワラの焼き物、タケノコの煮物など14品が詰まっている。だしの効いたやさしい味で彩りも豊か。食後は大谷焼のカップに入ったコーヒーも味わった。

 アテンダントによるサービスは予讃線の観光列車に続き四国では2例目。川中姫奈さん(24)は「忙しい中でもお客さまに喜んでいただけるよう笑顔を忘れないようにしている」と話した。

 沿線の観光施設や老人保健施設から、列車に手を振る人たちの姿が見られた。乗客も笑顔で手を振り、写真に収めていた。

 三好市の坪尻駅では、列車の進行方向が前後逆になるスイッチバックが行われた。スイッチバックは傾斜地で安全に発着するのが目的で全国でも珍しく、車内を移動する運転士に乗客が拍手を送っていた。

 琴平駅では専用のラウンジに案内されデザートを味わった。最後まで上質な雰囲気に包まれた2時間余りだった。