来年春に卒業予定の大学生・大学院生を対象にした会社説明会が解禁となり、徳島県内でも就職活動が本格化している。

今春卒業する県内大学生の就職内定率は、1月末時点で76・6%と過去10年で2番目に高くなった。人材不足が深刻化する中、企業の採用意欲は依然として強く、今年も学生優位の売り手市場になると言われている。

とはいえ、6月1日の面接解禁まで準備期間は短い。学生は、自らの適性や何がしたいのかをしっかりと見極めつつ、できる限り多くの企業に接することで有意義な就活にしてもらいたい。

企業を選ぶ際には、どうしても知名度や注目度が高い大手にまず目が向きがちだ。しかし、地方にも優良な中小企業は多い。

県内でも、独自の技術力を生かし、特定分野で世界的に高い市場シェアを持つ企業がたくさんある。先入観やイメージにとらわれることなく、幅広い視野で各社の魅力を見比べてほしい。

中小企業には、発信力をもっと高めるよう求めたい。その企業ならではの仕事のやりがいや、地元にいかに貢献しているかなど、誇れるところは少なくないはずだ。学生に選んでもらえるよう、そうした点を積極的にアピールすることが大切である。

懸念されるのは、せっかく就職しても「合わない」といった理由で早期退職する人が後を絶たないことだ。

厚生労働省の調査によると、大学卒業後3年以内に離職する人の割合は全国で30%を超えている。ステップアップを目指した転職もあるだろうが、3人に1人が定着していない現状は問題である。

就業のミスマッチは、企業にとっても働く人にとっても損失となる。

背景には、人材獲得競争が激しくなったことで、少しでも早く内定を出して学生を「囲い込み」しようとする大手の行き過ぎた動きがあると指摘されている。

学生の活動を制限するような振る舞いは、慎むべきである。企業は採用数を確保するだけでなく、どう定着させるかにも気を配らなければならない。

学生も将来を見据え、長続きできる職場をじっくりと探すことが大事だろう。

過労自殺や過労死が重大な社会問題となる中、残業時間の長さや福利厚生などに対する学生の関心が高まっている。会社説明会では「残業はあるのか」「休みは取れるのか」という質問が相次いでいるという。

働きやすさが会社選びの重要な要素となっているのは当然だろう。

国会では、働き方改革が議論されている。企業は、長時間労働を是正するのはもちろん、育児や介護と両立できるなど、ワーク・ライフ・バランスを重視した環境づくりに、より一層力を入れる必要がある。