石井町石井の童学寺の本堂や庫裏(住居兼台所)などを全焼した火災で、県教委と町教委は26日、同寺の文化財の被害状況を調査した。本尊で国指定重要文化財の木造薬師如来坐像(ざぞう)(像高64センチ)と町指定有形文化財の切支丹(きりしたん)灯籠(高さ170センチ)にはいずれも目立った損傷はなかった。

 薬師如来坐像は平安時代に造立され、本堂の奥にある須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる専用の台座に置かれていた。塩田龍澄(りゅうちょう)住職(39)が火の手が回る前に像を抱えて運び出しており、傷みはなかった。今後の管理方法については寺の意向を聞きながら検討する。

 本堂の北側に設置されている、江戸時代に作られた花こう岩製の切支丹灯籠も火災の影響は受けていなかった。

 このほか寺には町指定名勝の庭園「逍遙(しょうよう)園」があり、今後被害状況を調べる。

 一方、石井署と石井消防署は同日、庫裏の焼け跡を中心に約5時間かけて現場検証したが出火原因は特定できなかった。

 寺には早朝から近隣住民や信者らが次々と訪れ、塩田住職らが対応に追われた。参拝者への納経は、同じ四国別格二十霊場の1番札所・大山寺(上板町)で対応した。

 石井町誌などによると、童学寺は飛鳥時代に創建され、奈良時代に幼少の弘法大師が学問修業を行ったとされることが名前の由来になっている。