阿波路は春。いよいよ本番である。「とくしまマラソン」の号砲が、きょう鳴らされる。

 11回目となる今大会は1万4200人がエントリーした。県内の8461人に加え、県外から5558人、海外からは181人を迎える。

 上位を争う選手、自己ベストを狙うベテラン、完走を目指す初心者と目標はそれぞれ違っても、元気に参加できる喜びは同じだろう。無理をせず、思い思いのペースで大いに楽しんでもらいたい。

 レースは徳島市の県庁西側の国道55号を出発し、吉野川北岸を西進。阿波市で折り返して、ゴールの徳島市陸上競技場に向けて南岸を東へ進むコースで行われる。

 今回は新たな試みとして、年代別の表彰者を増やした。昨年まで「50代」「60代」「70代以上」の3区分で男女各3位内だったのを、「19歳以下」「20~24歳」「85~89歳」など、5歳刻みの15区分にする。

 順位にこだわらない人が多い市民マラソンだが、表彰の可能性が高まり、走りの励みになるに違いない。

 競技性を高めるため、初めてケニアから3選手を招待したのも目を引く。

 中でも、ロンドン五輪銅メダリストで、昨年の東京マラソンを制したウイルソン・キプサング・キプロティチ選手は、世界歴代4位の2時間3分13秒の記録を持つ。

 日亜化学の石川佳彦選手=鳴門市出身=ら県出身の招待選手3人を含め、レベルの高いレースになりそうだ。

 大会を支えるのが、スタッフやボランティアである。会場の運営、荷物預かり、給水所での飲食物の配布、救護など、大勢の人たちがさまざまな役割を担っている。

 沿道からの応援の多さも、とくしまマラソンの特徴の一つだ。

 過去最多の57団体・企業が「応援隊」に参加。阿波踊りや和太鼓をはじめ、ほら貝、バンド演奏、カラーガードなど、趣向を凝らした企画でエールを送る。そば米汁やちくわ、徳島ラーメンなどのおもてなしもある。

 スタッフやボランティアには、毎年、開催を楽しみにしている人が少なくない。ランナーの笑顔に励まされるという声も、よく聞く。身近なマラソン大会ならではの良さだろう。

 ゲストランナーには、1991年の世界陸上で金メダルに輝いた谷口浩美さんと、アテネ五輪金メダリストの野口みずきさん、NPO法人ニッポンランナーズ理事長の金哲彦さんを招く。

 東京六大学と龍谷大の計14選手がペースメーカを務めてくれるのも、うれしいことである。

 県内は、きょうも天気が良さそうだ。河川敷では菜の花が咲き、吉野川の雄大な景色に彩りを添えている。

 ランナーにとって、沿道からの応援が何よりの力になる。温かい声援を送ろう。