[上]マンガ大賞2017に選ばれた柳本さんの「響~小説家になる方法~」の表紙[下]受賞を記念して柳本さんが描いたイラスト

 書店員や漫画ファンらが昨年発売された漫画の中で最も薦めたい作品に与えられる「マンガ大賞2017」に、徳島市出身の柳本(やなもと)光晴さんの「響(ひびき)~小説家になる方法~」が選ばれた。28日、東京都内で授賞式が行われ、柳本さんは「とにかくうれしい」と喜びを語った。

 受賞作はビッグコミックスペリオール(小学館)に14年8月から連載中で、これまでに単行本5巻が刊行されている。不況にあえぐ出版界に現れた、才能と個性あふれる主人公の鮎喰響(あくいひびき)が小説家を目指して生きていく中、同級生や編集者ら周囲の人にさまざまな影響を与えていく物語となっている。

 授賞式で柳本さんは約60人の出席者を前に「過去の受賞者や作品は知らない人がいないくらいで、それに並ぶのは畏れ多い」とあいさつ。受賞を知った直後にアシスタントから「先生、漫画は絵じゃないってことが証明されましたね」と告げられたエピソードを明かし会場の笑いを誘った。

 小説家を題材に選んだことについては「漫画では手あかの付いていない題材にしたかった。理屈抜きで、圧倒的な才能を(持つ小説家を)描きたいと思った」と説明した。

 柳本さんは城北高から電気通信大(東京都)に進み、漫画研究会に入部。同人誌で創作活動を続ける中で雑誌デビューした。

 同賞は08年に漫画好きの有志が創設。作品本位の選考が年々評価を高め、漫画市場に大きな影響力を持つ賞といわれるまでになり、今年で10回目を迎えた。

 今回は16年に単行本が発売された作品のうち最大巻数が8巻までの作品を対象に、約90人の選考員の投票で最もポイントが高かった1作が大賞に決まった。