川岸美奈子被告

 徳島県のとくしま記念オーケストラ事業などで得た所得を申告せず税金約3千万円を免れたとして、法人税法違反などの罪に問われた音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(東京、解散)と元代表取締役川岸美奈子被告(58)の判決公判が26日、東京地裁であった。駒田秀和裁判官は川岸被告に懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)、プロダクションに罰金700万円(求刑同900万円)を言い渡した。裁判官は、被告に対し「あなたはオーケストラ事業のために頑張ったと言うのかもしれないが、事業に水を差す結果になった」と非難した。

 判決理由で駒田裁判官は、所得と脱税額が共に高額で「脱税規模として軽視できない」とし、「脱税率も約99・99%以上と非常に高率で悪質性も顕著」と指弾した。

 川岸被告が多額の利益が出ていることを認識しながら帳簿を作らず、1990年の会社設立以降一度も確定申告しなかったことについて「業務を一人で行っていたとはいえ、適法な税務申告が不可能だったとは認められない」と指摘。「納税意識の欠如は顕著であり、犯行態様は芳しくない」と厳しく批判した。

 一方で「修正申告を行って税金を納めており、事実を認め、会社を清算して自ら事業を行わないと述べるなど反省の態度を示している」と、刑の執行を猶予した。

 最後に、裁判官は川岸被告に対し「自分の行為を思い返し、納税意識と順法精神を高めてほしい」と諭した。

 判決によると、川岸被告は2016年7月期までの3年間、所得約1億2900万円を確定申告せず、法人税など約3千万円を免れたとしている。関係者によると、所得の大半は記念オケの業務で得たとみられる。川岸被告は記念オケの立ち上げに関わり、11年5月~13年3月には県の非常勤の政策参与も務めた。