幼稚園と保育園の機能を一体的に担う認定こども園が徳島県内で初めて阿南市に設立されてから4月で10年を迎えた。2016年度の施設数は39園、通う子どもの数は3700人余に上り、今春には新たに8園が開園する。ただ開設状況は市町村でばらつきがあり、12町村ではまだ開設されていない。運営の効率化によるサービスの拡充が期待できる一方、新設には建設コストや人材確保などが課題になっている。

 認定こども園は、県内では阿南市が07年度に第1号を開設した後、14年度末までは9園にとどまっていた。だが15年4月に始まった子ども・子育て支援新制度で認可手続きなどが簡略化され、開設が大幅に増えた。

 今春から計46園(1園が休園)となるこども園の内訳は公立26園、私立20園。幼稚園と保育所を一体化した幼保連携型が30園、保育所に幼稚園の機能を持たせた保育所型が16園となっている。

 美馬市は16年4月に旧美馬町の4幼稚園と2保育所を集約したこども園を開設し、こども園は計5園に。担当者は「きょうだいを保育所と幼稚園に預ける保護者から『一元化すれば送迎が楽になる』という意見があった。園側も継続して子どもを見守れ、市も運営コストを削減できる利点がある」という。

 だが、移行を目指す動きには市町村によって温度差がある。石井町は幼稚園と保育所各1施設を新施設に集約したものの、こども園化は見送った。同町では幼稚園も午後7時まで子どもを預かり、新年度からは土曜保育も行っていることから、担当者は「サービスはすでに充実している」と説明する。

 町内で均一なサービスを提供するには他の4幼稚園もこども園にする必要があり、多額の費用がかかる。担当者は「こども園は地域の子育て支援拠点としての機能も求められるので、職員増が必要」と、人材不足も理由に挙げている。

 また、幼保連携型では保育士と幼稚園教諭双方の資格を持つ「保育教諭」の配置が求められるため、こども園が増えれば、今は職を離れている潜在的な保育士らの再就職を妨げるという指摘もある。19年度までは特例として片方の資格で働け、短期間で資格が取れる仕組みも用意されてはいるが、新しい環境への順応や資格取得を敬遠して他職種へ転職する例もあるという。

 幼稚園の希望者にはこども園を敬遠する例もある。「幼稚園の方が優れた教育をしてくれるというイメージを持つ保護者は少なくない」と徳島市内の私立認定こども園の園長は指摘する。こども園の教育面の取り組みを広く周知することもこども園の一層の定着に向けた課題となりそうだ。