携帯電話の普及で公衆電話が減る中、災害時に避難所などに引く特設公衆電話の事前設置が徳島県内で進んでいる。自治体の要請を受けてNTT西日本が設置しており、2016年9月末時点で19市町村388回線に上る。電話が混み合った場合でも通信制限を受けないことから、南海トラフ巨大地震などの災害時に安否確認などをする通信手段として期待されている。

 特設公衆電話は災害時に避難所に保管している電話機と回線をつなぎ、発信専用として通話料無料で利用できる。東日本大震災以前は災害発生後に回線を引いていたが、災害時に迅速に通信手段を確保するため、事前に設置工事をする動きが広がっている。

 NTT西日本徳島支店によると、県内では12年度から設置が始まった。13年3月末時点は29回線だったが、14年3月末には276回線と急増し、その後も増え続けている。

 市町村別では、16年9月末時点で海陽町が48回線で最も多く、阿南市46回線、鳴門市38回線と続く。16回線を設置している勝浦町では、特設公衆電話を使って避難所から災害対策本部に避難者数などを報告する訓練を年1回行っている。

 一方、一般公衆電話は減少傾向が続いており、16年3月末時点で1134回線と13年3月末時点から164回線減った。

 公衆電話は災害時に電話が集中して回線が混み合い、家庭の固定電話や携帯電話が通信制限を受けた場合でもつながりやすいことから、東日本大震災でも活用された。

 NTT西日本徳島支店は「災害時のライフラインの一つとして普及を進め、南海トラフ巨大地震に備えたい」としている。