【上】丸岡さんが砂金で作った指輪。「KINSHA」と彫ってある【下】銅山川で砂金を採取する丸岡さん=三好市山城町

 愛媛県新居浜市から三好市山城町を流れる吉野川支流・銅山川(通称・伊予川)で、香川県の男性がこつこつと、約10年かけ砂金を採取し、金製の指輪を作った。かつて砂金採りの名所として知られ、「金砂(きんしゃ)川」とも呼ばれた銅山川。流域の住民は、黄金に光輝く指輪を見ながら、「一獲千金」を夢見る砂金掘りでにぎわった往時に思いをはせている。

 指輪を作ったのは、四国内外の砂金愛好家約15人でつくる「四国砂金の会」の丸岡正明会長(56)=丸亀市。約10年前から砂金採取にはまり、銅山川や吉野川など四国の河川を週1回程度、巡っている。

 これまでに集めた砂金は数十グラム。普段は標本箱に入れて机にしまっているが「たんすの肥やしにしておくのはもったいない」と、オリジナル指輪作りを考えた。6グラムを自ら彫金し、2月に完成。金砂を表す「KINSHA」の6文字を刻印している。

 「新宮村史」「伊予三島市史」(いずれも愛媛県)や「山城谷村史」によると、江戸時代から明治にかけて銅山川一帯では、農家の副収入として砂金採りが盛んに行われた。仲買人も出入りし、河原には飲み屋ができるほどのにぎわいだったという。

 一昔前にも15グラムの大きな塊が採れたという話もあり、丸岡さんは車で片道1時間半かけて、三好市山城町に足しげく通う。昨年秋には、地元の大野地区の住民を砂金採りに誘った。

 ごく少量の砂金を採ることができたと喜ぶ大久保冨美さん(53)=カフェ経営=は、金の指輪を見せてもらい「砂金の話は聞いたことがあったけれど、身近な川でこんなに金が採れるなんてすてき」と感激していた。

 丸岡さんは四国で砂金が採れることを知ってもらおうと、徳島、愛媛、香川各県の県立博物館施設に砂金を寄贈しており、砂金の写真と採取した川を記したマップ作りも計画中だ。