小川会長(左)から襖からくりについて話を聞くドーンさん(中)=神山町神領の小野さくら野舞台

 神山町神領の小野天王神社にある農村舞台「小野さくら野舞台」を、米国人の舞台芸術演出家が訪れた。全国一多く襖(ふすま)絵が保存されているという「襖からくり」を学ぶためで、9日に開かれる第10回定期公演のリハーサルを見学したり、舞台裏で操作を体験したりした。「独創的で、世界でも類を見ない舞台装置」と興味津々の様子だ。

 訪れたのは、フロリダ州出身で名古屋市在住のザック・ドーンさん(30)。昨年、徳島県を初めて訪れ、犬飼農村舞台(徳島市八多町)で偶然、襖からくりの公演を見た。言葉は分からないが、視覚的に十分に楽しめる舞台に興味が湧いたという。

 ドーンさんは4、5両日の夜、リハーサルが行われた小野さくら野舞台を訪れた。襖が中央から左右に分かれる「引き分け」や、縦軸で回転する「田楽返し」といった技法の実演に見入っていた。

 同舞台保存会の小川一清会長からは、昔は人形浄瑠璃などの幕あいに演じられていたこと、現在は241枚の襖絵が使用できる状態であることなどを聞いた。舞台裏にも案内され、実際に操作を体験した。

 ドーンさんは「海外でも有名な人形浄瑠璃に比べてほとんど知られていない、いわば見過ごされてきた芸術だ」と評価。定期公演も見る予定で「襖からくりは、必ず自分の演出のどこかに影響を及ぼすだろう」と期待している。

 定期公演は午前11時から。100枚30景の襖絵や地元・寄井座の人形浄瑠璃のほか、三好市出身の人形遣い・勘緑さんと和太鼓のコラボレーションなどが披露される。観覧無料。