大阪の、日本の笑いの一丁目一番地にする。敗戦、焼け跡からの出発を決意する「てん」。15分の話もきょうを含めて残すところ2回となった

NHK連続テレビ小説「わろてんか」。寄席はどう再建するのか、「てん」の息子は戦地から戻ってくるのか。「笑い」をビジネスにして人生を切り開いていく、てんを演じた女優の葵わかなさんが収録を終えてこう話していた。「笑うことの大切さが身に染みた」

よく言われることだが、「一」があるとないとでは大違いになる漢字一文字がある。「辛」と「幸」。それを思うたび、この「一」になるのは笑いではないか、と。人間関係がこじれるのは「辛(つら)い」けれど、それがうまくいけば「幸い」になる。辛い時、笑いは消えているし、幸いであれば笑いがある

葵さんが振り返っている。「てんちゃんに影響されてなのか、現場の空気感なのか、私自身が(撮影が)始まる前よりも格段に笑うようになった」。ねたみやそねみ、悪口には宿らない笑いの神様が付いたのかもしれない

年度末、別れの時季だ。きょうで通い慣れた職場を離れるという人も多いだろう。胸に去来するものは何か。喜怒哀楽、いずれの文字にも行き当たる思い出があったに違いない

去る人に、感謝と共にこんな言葉を掛けて送り出したい。「笑う門には福来たる」。