無縁墓の供養を見守る里浦町の住民ら=鳴門市里浦町

 縁故者や継承者がいない無縁墓約3500体の供養を続ける鳴門市里浦町の町内会が、供養の継続に不安を募らせている。住職の日当やお供え代などの資金確保が難しくなっているため。無縁墓の大半は地元住民とは縁がないものの、善意で続け30年以上になる。町内会は「何とか継続できないか」とし、市に支援を求めている。

 無縁墓は市が所有する広さ約2400平方メートルの共同墓地の一角に並んでいる。住民によると、1961(昭和36)年に開通した小鳴門橋(同市撫養町)の建設工事に伴い、橋の南岸にあった墓地の地中から掘り出され、何らかの理由で里浦に移されたという。

 移設が終わった81年から同市里浦町の粟津、里浦恵美寿両地区の町内会が春秋の彼岸と盆の年3回、供養している。

 かつて供養を数年間中断した時もあったが、地区で火事や事故が相次いだために「災厄では」との声が上がり、再開させて続けている。

 3月20日には、住民ら約30人が参加し、墓地の清掃と供養を済ませた。

 住職の日当やお供え代など1回の供養に10万円ほど掛かる。これまでは、町内会が地区内に墓地を整備した際に住民から得た使用権料を供養代に充ててきたが、それもあと10年ほどで底を付く見通し。

 恵美寿地区の町内会長、東中雅昭さん(69)は「供養をやめる訳にもいかず、世帯数も減る中で町内会費を充てる余裕もない」と話す。

 市環境政策課は「市が供養するのは難しいが、協力できることがあるか検討していく」としている。