全9スクリーンのうち、最大の312席を備える1番スクリーン。臨場感あふれる音響システムなど最新鋭の設備を導入している=徳島市のイオンシネマ徳島(イオンエンターテイメント提供)

 27日の「イオンシネマ徳島」(9スクリーン、計1346席)の開業で、2006年に徳島ホール(徳島市)が封切り作品の上映を休止して以来、11年ぶりに県都に本格的な常設映画館が復活する。四国初となる最新の体感型上映システム「MX4D」を備えるなど、開業前から話題を集めており、県内の映画ファンは期待で盛り上がっている。

 イオンシネマは、イオンモール徳島(徳島市南末広町)の5階に入る複合型映画館。最大の目玉は、2番スクリーン(74席)に設けた「MX4D」だ。場面に合わせてシートが前後左右に動くのをはじめ、風や水しぶきなど11種の特殊効果が体感でき、ファンの注目を集めそうだ。

 このほか同シネマ最大の312席の1番スクリーンも、臨場感あふれる最新鋭の音響システムを装備。上映作は新作を中心に、幅広い世代が楽しめる洋邦のラインナップになるという。

 「映画ファンの裾野が広がるだろう」と歓迎するのは、映画愛好家として知られるラジオキャスター梅津龍太郎さん。県内ではフジグラン北島(北島町)に8スクリーン計1378席を擁する「シネマサンシャイン北島」が営業中だが、県南部の住民や中学・高校生らには距離感があり、足を運びづらい面もあった。梅津さんは「近場で映画を楽しめるようになるのを喜ぶ人は多いだろう」と見る。

 県内で未上映の作品を見るため、高松市などに出向くこともある映画資料収集家の西口泰助さん(73)=鳴門市瀬戸町明神=は「県内で上映される作品が増えるのはうれしい。ただ、話題作ばかりではなく、マイナーな作品や旧作名画も上映してほしい」と要望する。

 普段は映画館に足を運ばない人も興味を示す。映画はDVDで見るという会社員岩佐良久さん(27)=徳島市上助任町天神=は「特殊効果が体感できるのが面白そうなので、行ってみたい」と話す。

 徳島市内には1961年に21館の常設映画館があったが、レンタルビデオ店の増加などで映画館離れが進み、入館者が減少。2006年の徳島ホールの上映休止後は、アニメ作品が中心の「ユーフォーテーブル・シネマ」(同市東新町1)のみとなっていた。