四国電力が、1982年の運転開始から約36年が経過した伊方原発2号機(愛媛県)の廃炉を決めた。

東京電力福島第1原発事故を受けた新規制基準で、原発の運転期間は原則40年に制限されたが、原子力規制委員会の審査を通過すれば、最大20年の延長が可能になる。

四電は、巨額の安全対策費用を投じて2号機を再稼働させても、将来の電力需要の拡大が見込めず、採算に合わないと判断したようだ。

佐伯勇人社長は、愛媛県の中村時広知事との会談で「2号機の再稼働後の運転期間や出力規模などを総合的に勘案し、投資回収リスクが払(ふっ)拭(しょく)できない」と説明した。

老朽原発の安全性には、国民の厳しい視線が注がれている。廃炉は当然の判断だ。

四電の検討では、新規制基準を満たす安全対策工事は技術的に可能だったが、2号機の出力が56万6千キロワットと小さいのがネックになった。

伊方原発の1~3号機のうち、廃炉はこれで2基目だ。2号機と同じ出力で、77年に運転を開始した1号機は既に廃炉作業が行われている。

原子炉の解体や建屋の解体・撤去などの作業を40年かけて進めるが、放射性廃棄物の管理を徹底し、住民の理解を得る努力が欠かせない。

東日本大震災以降、福島第1原発以外で廃炉になるのは9基目である。

一方、運転延長を認可されたのは、福井県の関西電力高浜1、2号機と美浜3号機で、いずれも80万キロワット以上の出力がある。

伊方原発では、94年の運転開始で出力が89万キロワットと最も大きい3号機が、新規制基準の下で2016年8月に再稼働した。ところが、定期検査中の昨年12月に、広島高裁から運転差し止めの仮処分決定を受け、今年9月末まで運転できない状態が続いている。

収支の改善を目指す四電にとっては大きな打撃である。

その一方で、脱原発を訴える徳島県内の株主や市民団体は2号機の廃炉を歓迎し、3号機の廃炉も求めている。

現行のエネルギー基本計画は、30年時点で原発を「重要なベースロード電源」と位置付けている。30年度の原発の発電割合を20~22%にするとしており、改定される新しい基本計画でも、政府はこの方針を維持する考えだ。

運転に必要な安全対策が強化されたことで、新設や老朽化対策のコストが高くなったのではないか-。そんな有識者の指摘にも留意すべきだ。

原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場も、立地のめどが立たない。原発を稼働させれば核のごみは増えるばかりだ。

そこで、注目したいのは風力、太陽光などの自然エネルギーである。飯泉嘉門徳島県知事が会長を務める自然エネルギー協議会が普及、拡大を推進している。

さらに啓発を進め、脱原発への動きを加速させなければならない。