鳴り物などの使用を自粛して応援する徳島のサポーター=鳴門ポカリスエットスタジアム

 「襟を正していこう」。サッカーJ2・徳島ヴォルティスのサポーターによる問題行為があってから初めてのホーム戦が行われた3日、徳島のサポーターは「より良い応援に向けた態勢をつくる」としたクラブの意向を受けて鳴り物などを使わず、声をからして懸命に応援した。サポーターの多くはこれまでの応援を見つめ直し、クラブと一体になっての「再起」を誓った。

 ヴォルティスの岸田一宏社長は試合前、拡声器や鳴り物を使って応援しているサポーターの中心メンバー17人に対し、この日の使用自粛を要請した。ゴール裏スタンドには横断幕などは掲示されず、徳島のサポーターは手拍子を取ったり、跳びはねたりしながら、ピッチに向けて声を張り上げた。

 問題行為があった4月29日のアウェー千葉戦について、東京都内の20代男性(徳島市出身)は「徳島サポーターのやじがすごかった。それに比べると、今日のゴール裏は『平和』だった。ずっとこうした応援が続くといい」と話した。

 試合はヴォルティスが逆転勝利を収め、スタンドは歓喜に包まれた。同市城南町の主婦藤浦和美さん(60)は2カ月ぶりのホームでの勝利に興奮しながら「拡声器を使った応援は迫力がある。マナーを守れていない面があるなら、改善した上で続けてほしい」と求めた。

 複数のサポーターによると、J1に昇格し連敗が続いた2014年シーズン以降、もともと過激だった一部の「応援」が激しさを増したという。そうした応援をクラブが管理できていなかったことが問題行為につながったとの批判もある。

 岸田社長は試合前、観客に向けたあいさつで「今回の事象を反省し、クラブへの信頼を回復できるよう、(スタジアム環境の)改善に努める」と語った。クラブはサポーターと今後も話し合いの場を持ち、再発防止を図る。新しい応援体制がまとまるまでは自粛を続ける方針。

 メインスタンドで観戦した鳴門市大津町吉永、主婦伊藤照代さん(60)は「クラブも私たちサポーターも、マナーの悪い応援に目をつぶってきた部分があった。今回の問題を機に、より良い方向に向かっていかないと」と力を込めた。