地域の特産品が返礼品としてもらえることで人気に火がついた地方自治体への寄付制度「ふるさと納税」の2016年度実績で、徳島県内の24市町村では最大で1億5千万円余の収入格差が生まれたことが、徳島新聞の調べで分かった。返礼品代などを除いて手元に残った寄付の実収入よりも、住民が他市町村などにふるさと納税をしたことによる市町村民税の減収額の方が上回った自治体もあり、徳島市など都市部の3市4町が単純収支で赤字になったことも判明した。

 24市町村に寄せられたふるさと納税の総額は、15年度の2・6倍に当たる5億3835万4542円で、過去最高を更新した。

 多額の寄付があった自治体はおおむね返礼品が充実しており、1位はなると金時やイチゴの返礼品が人気を呼んだ鳴門市の1億5082万円。次いで徳島市の1億968万円、吉野川市の8374万円となっている。

 徳島市は期間限定の返礼品に採用した非売品の阿波おどりアニメポスターが人気で、これだけで2500万円余りの寄付を集めた。吉野川市はスイートコーンが好評だった。

 寄付が最も少なかったのは藍製品などを返礼品にしている藍住町の25万円で、1位の鳴門市との差は1億5057万円余に上った。

 各自治体が集めた寄付のうち、返礼品の調達や送付などに要した費用を差し引いた額が実収入となる。一方、各自治体の住民も県内外の自治体へふるさと納税をするケースが増えており、寄付額の大半が所得税や個人住民税から差し引かれる。

 その結果、各自治体が集めたふるさと納税を上回る規模で住民税の減収が生じれば、単純収支は赤字になる。16年度の市町村民税減収額とふるさと納税の実収入とを自治体ごとに比較すると、徳島市が最大の赤字となり、収支はマイナス約3932万円だった。

 ほかにマイナスが出たのは、阿南市(約1163万円)、藍住町(約783万円)、北島町(約594万円)、小松島市(約300万円)、松茂町(約253万円)、上板町(約5万円)の6市町だった。

 ただ、市町村民税や県民税の減収分は地方交付税で75%まで補填(ほてん)される。補填後の実質収支を計算すると、徳島市と小松島市、松茂町、上板町は黒字に転じたものの、多額のふるさと納税を集められなかった阿南市と藍住町、北島町は赤字が埋まらず、阿南市では約258万円の実質赤字が生じている。

 ふるさと納税を巡っては、15年度に42億円余を集めて全国1位になった宮崎県都城市が16年度はさらに寄付額を増やして約73億円とするなど、自治体間の収入格差が拡大している。