開通20年を迎えた明石海峡大橋(淡路島側から)

明石海峡大橋と大鳴門橋の通行台数の推移

 明石海峡大橋の完成に伴う神戸淡路鳴門自動車道の全線開通から5日で20年を迎えた。橋の通行台数は2017年度末までで累計2億845万台に上り、本州と四国を結ぶ3ルートの中で、最も利用の多い“大動脈”として定着した。大消費地での徳島県産品の販路拡大などプラス効果の一方で、消費の県外流出といったマイナスの側面ももたらした。また、地方の人口減少や東京一極集中は加速し、本四架橋に託された「国土の均衡ある発展」という夢は道半ばとなっている。

 明石海峡大橋の通行台数は開通から10年間は年間800万~900万台ほどだったが、休日の通行料金を上限千円とする割引制度の導入により09年度に初めて年間1千万台を突破し、累計で1億台を達成。その後も東日本大震災で観光需要が落ち込んだ11年度を除いて増え続け、17年度は1353万台が利用し、本四架橋の中でいち早く累計2億台を超えた。

 85年に開通した大鳴門橋は当初、年間200万~300万台で推移したが、明石海峡大橋開通の98年度に603万台に急増。17年度は911万台、累計では1億9019万台が利用している。

 「平成の大関所」と呼ばれ、課題だった通行料金は、14年に抜本的に見直され、現行の全国共通料金制度が導入された。当初6050円だった神戸西インターチェンジ(IC)―鳴門IC間の普通車通行料金は現在、自動料金収受システム(ETC)搭載車で平日3280円、休日2620円と開通時の54~43%に引き下げられた。

 旅客輸送では高速バスの利用が伸びた。神戸淡路鳴門自動車道を利用して本州と四国を結ぶバスは99年に1日92往復だったが、16年には3倍超の314往復に増加した。

 フェリーを活用していた架橋前に比べ、陸路で結ばれたことにより、移動・輸送時間の短縮や安定供給を実現。県産1次産品のブランド戦略や企業の商圏拡大を支えた。

 日帰り観光をはじめ人の往来が活発化する一方、消費の県外流出が深刻化。さらに、この20年間、若い世代を中心に東京などへの転出に歯止めがかからず、県人口は約9万人減少した。地域の活力維持が課題として指摘されている。

 明石海峡大橋は全長3911メートル。2本の主塔間の長さは1991メートルで、現在も世界最長のつり橋となっている。