巣から飛び立つコウノトリの雌のひな「あさ」=午前10時18分、鳴門市大麻町

 鳴門市大麻町のコウノトリのひな3羽のうち、雌の「あさ」(個体識別番号J0142)が30日午前、初めて巣から飛び立った。巣以外の木や地面に降り立つ「巣立ち」とはならなかったものの、巣の上空を22秒間旋回。見守っていた地元住民ら約30人が「初飛行」に歓声を上げた。

 あさは午前10時18分ごろ、巣の上で南の風を受けてふわりと飛び上がり、南東に向かって飛行した。巣の南側の上空を旋回した後、再び巣に戻った。飛び立つ直前には、巣の上で東や南の方角を眺めていた。

 撮影のため現地を訪れている上塚信己さん(76)=徳島市末広4=は「待ち続けたかいがあった。無事に飛行できてほっとした」と大喜び。初めて観察に来ていた主婦山下留実子さん(42)=北島町江尻=は「立派な姿に、言葉にならないほど感動した」と興奮した様子だった。

 あさを含む雌雄のひな3羽は、3月21日ごろの誕生とみられており、30日で生後約70日を迎えた。今月4日ごろから翼を羽ばたかせる練習をしており、あさは雄2羽に比べて巣の上で垂直に飛び上がる高さが伸びていた。

 兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(豊岡市)などによると、野外で育った個体の平均的な巣立ちは生後63~74日という。