国会は後半戦に入った。重要法案が待ち受けるが、審議の先行きは見通せない状況だ。最大の原因は行政組織の相次ぐ不祥事にある。

 公文書の改ざんや隠蔽などが次々と明るみに出ている。これまでの政府答弁に疑念を抱かせるばかりか、国民の知る権利をないがしろにするもので、憤りすら覚える。

 政府や立法府への信頼はかつてないほど揺らいでいる。早急に真相究明に取り組むとともに、公文書の管理方法や再発防止策についても徹底的に議論しなければならない。

 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題は発覚から1カ月以上過ぎた。誰が、何の目的で改ざんしたのか、官邸側の指示や安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与がなかったのかどうかなどは、謎のままだ。

 政府・与党の中には、先月27日の当時財務省理財局長だった佐川宣寿氏の証人喚問により、一区切りついたとの見方も出ていた。

 しかし、証言では何一つ疑念が払拭されず、かえって強まった。また、おとといの参院決算委員会では、ごみ撤去費用で財務省が学園側に口裏合わせを依頼していたことも明らかになった。

 これでは幕引きにするわけにはいかない。全容解明には特別委員会の設置や関係者の招致が不可欠である。

 自衛隊の日報隠蔽問題も事態は深刻だ。「存在しない」としていたイラク派遣時の陸上自衛隊の日報が発見されたにもかかわらず、1年以上も公表されなかった。

 他にも南スーダン国連平和維持活動(PKO)による日報の存在が判明。陸自だけでなく、航空自衛隊でも見つかっている。

 政治が軍事に優越するシビリアンコントロール(文民統制)が機能不全に陥っていると言えよう。十分な調査が求められる。

 学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部新設計画を巡り、県がこれまで「ない」と回答していた計画に関する文書が存在していたことも分かった。

 2015年4月2日に県や市の職員らが首相官邸を訪れた際のやりとりなどが含まれており、当時の首相秘書官が「本件は首相案件」と述べたとも記されているという。

 なぜ、これほどまでに疑惑が出てくるのか。安倍首相は説明責任を果たすべきだ。

 もとより、法案の審議にも全力を尽くさなければならない。中でも焦点となるのは、首相が今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案だ。

 残業時間の上限規制や同一労働同一賃金の導入、高度プロフェッショナル制度の創設などが盛り込まれている。

 与野党の意見の隔たりが大きい項目もあり、粘り強く議論を積み重ねる必要がある。与党にはくれぐれも、成立を急ぐあまり、数の力で押し切ることがないよう、くぎを刺しておきたい。