【上】高橋さんが初めて翻訳を手掛けた絵本「おかあさんはね」【下】高橋久美子さん

 徳島発のロックバンド、チャットモンチーの元メンバーで作家・作詞家の高橋久美子さん(35)が、絵本の翻訳を初めて手掛けた。全米でベストセラーとなった作品の日本語版「おかあさんはね」(マイクロマガジン社)。母親が子どもに語り掛けるような文章が人気で、小さな子どもを持つ母親らから多くの反響が寄せられている。

 絵本の原作タイトルは「I Wish You More」。タイトルに母親を示す単語はないが、高橋さんは母親が子どもの健やかな成長を願う内容だと読み取り、こう訳した。

 翻訳文には「あなたのことがだいだいだいすき」「どこにいてもあなたをみまもっているよ」などと、母親の愛があふれる優しい言葉が並ぶ。

 原作の絵本は、今年3月に51歳で亡くなった米人気作家エイミー・クラウス・ローゼンタール氏、絵はイラストレーターのトム・リヒテンヘルド氏が担当。米紙ニューヨーク・タイムズの年間ベストセラーリストに入ったのをはじめ、数多くの賞を受賞し、世界10カ国以上で翻訳されている。

 マイクロマガジン社の担当者が「日常の何でもないところから愛情を表現するのが上手だから」と高橋さんに翻訳を依頼。高橋さんは、文章量が少ない中で表現する難しさに苦労しながら20回以上書き直し、4カ月ほどかけて完成させた。

 発売から1カ月が過ぎ、高橋さんの元には「読み聞かせをしながら母の方が泣いた」「反抗期の娘が読んで泣き出した」などと、幅広い世代の人たちから共感の声が届いているという。

 鳴門教育大で、小学校教育の国語科を専修した高橋さん。「母の愛に包まれてこの世に生まれてきたのは、みんな同じ。この絵本がいろんな世代の母と子の橋渡しになればうれしい」と話している。

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 「おかあさんはね」は、東京都中央区新富1―3―7のマイクロマガジン社刊。1500円(税別)。問い合わせは販売営業部<電03(3206)1641>または県内主要書店。