牟岐町内の線路を実証走行するDMV=2012年2月

 鉄路と道路の両方で走行できる車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」が近く海部郡内にお目見えすることになった。阿佐東線(海陽町-高知県東洋町)での導入を計画している徳島県と沿線自治体が7月中旬から来年1月まで、所有するJR北海道から車両を借り、各イベント会場での展示や道路走行を行う。世界初の運行に向け機運を高めるのが狙いで、16日に海陽町の宍喰駅で車両公開セレモニーを開く。
 
 借りるのは、JR北海道が2004年に試作した車両。県は12年、この試作車両を使って海陽町や高知県室戸市などで3日間実証走行を行った。県内では5年ぶりの登場になり、今回の期間は約半年間に及ぶ。
 
 県次世代交通課によると、借用期間中は県や自治体が主催するイベント会場などで車両を展示したり、会場の周辺道路を利用して乗車体験会を開いたりする。鉄路の走行は行わない。
 
 県や海陽町などの沿線自治体でつくる「阿佐東線連絡協議会」が関連費用約520万円を負担し、車両は阿佐東線を運営する阿佐海岸鉄道が管理する。
 
 16日のセレモニーは、午前7時5分から開く。前田惠海陽町長らが餅投げやテープカットを行った後、町長ら関係者がDMVに乗車し、美波町で開かれる「ひわさうみがめトライアスロン」のメイン会場まで移動する。
 
 県や阿佐海岸鉄道は、2020年7月の東京五輪までに阿佐東線で運行を始めることを目指している。先行して検討していたJR北海道は「安全対策を万全にするには多くの人員と経費がかかる」などとして14年度に導入を断念しており、阿佐東線で実現すれば世界で初めてになる。