徳島県のとくしま記念オーケストラ事業に絡む脱税事件で有罪判決を受けた東京の音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(解散)が、事業を担う県文化振興財団と直接委託契約を結び、事業費とは別枠で演奏会の準備に要した経費として2014~16年度の3年間に約2500万円を受け取っていたことが13日、分かった。同社には財団が業務委託した業者を経由し、13年8月からの3年間で事業費として約3億6800万円が渡っていたことが分かっている。それとは別ルートで多額の経費を得ていたことが新たに判明し、記念オケ事業の不透明さがあらためて問題視されそうだ。

 徳島新聞の情報公開請求に対して財団が開示した資料によると、財団はプロダクション側に▽14年度547万6826円▽15年度998万7357円▽16年度971万7177円―を支払っていた。

 財団や県によると、これらの支出にはプロダクションの元代表取締役、川岸美奈子氏(58)が、会場の下見や関係者との打ち合わせなど演奏会の事前準備のために来県した際の航空機代や宿泊費をはじめ、東京で利用したタクシーの代金、楽譜の送料などが含まれている。

 川岸氏が県内の移動で利用していたハイヤーの代金について、財団が13~16年度の4年間に計700万円以上を負担していたことが既に判明しているが、このハイヤー代はタクシー会社への支出のため、今回の準備経費約2500万円には含まれていない。

 また、13年度は委託契約を結んでおらず、川岸氏から提出された領収書などを基に実費を支出。東京などで利用したタクシーの代金が大半で、楽譜の送料などを合わせて約80万円を支払っていた。宿泊費や航空機代については財団が距離などに応じ定額で支払う仕組みをとっているため、同年度のこれらの領収書は残っておらず、現時点で判明していないが、財団が負担していた可能性がある。

 準備経費を事業費とは別に財団が支出している理由について県は2月、当時の田尾幹司県民環境部長が県議会の答弁で、演奏会の開催経費は基本的に各演奏会の主催者が負担しているとした上で「演奏会の構想段階のさまざまな検討、準備に要する経費や、数会場で現場調整を行う場合など、共通的に支払われる経費については総合調整を担う財団が支出してきた」と説明している。