釣りざお内に糸を通す部分。専用のワイヤーを使わずに通すことができる

[左]作品のイメージ[右]中川輝暁さん

 さお先が折れにくい上に、釣り糸も通しやすい釣りざおを、小松島市和田島町浜塚の釣具店経営中川輝暁さん(68)が開発した。釣り糸を通す部分に加工を施すことで、絡みやすい難点を解消。試作品を作ったところ、来店客の反応も上々だ。中川さんは特許も取得し、釣りざおメーカーと共同での商品化を目指している。

 釣りざおの主流は円形のガイド(糸通し)が、さおの先端部まで外側にある。糸は通しやすいが、風などで緩んだ場合に先端部のガイドに絡み、気付かずにリールを巻き上げてさお先が折れることも多い。円形のガイドがなく、さおの内部に糸を通して先端の穴から出す「中通し式」もあるが、専用ワイヤーが必要な上、さおの継ぎ目部分に引っかかりやすい難点がある。

 中川さんが考案したのは、途中までガイドに糸を通し、先端手前の継ぎ目付近からさおの内部に引き込み、先端の穴から出す仕組みだ。親族が経営する鉄工所と共同で糸を通す部分の部品を作り、ワイヤーなしで通すことができるようにした。先端にはガイドがなく、糸も絡まない。

 中川さんによると、さおの修理依頼の9割は、糸が絡んで先端が折れたケースが占めるという。さおの内部に糸を通してもらおうと来店する客も多かったため、中川さんは主流のさおと中通式の欠点を同時に解消する仕組みを考案。2016年4月に特許を取得した。試し釣りで強度や曲がりを確認するなど試行錯誤し、約1年かけて試作品を5本作った。

 試作品を見た常連客からは「すぐに使いたい」との声が多く寄せられたため、現在、大手を含む釣りざおメーカー数社と商品化へ向けた協議を進めている。親族の鉄工所での部品生産も視野に入れているという。

 中川さんは「お客さんの期待に応えるためにも、一日も早く商品化して店頭に並べたい」と話している。