全国高校野球選手権徳島大会でデビューした大平さん=鳴門オロナミンC球場

 熱戦が続く第99回全国高校野球選手権徳島大会で、20代の審判員5人がデビューした。県高野連審判部によると、例年の加入はせいぜい1人で、一度に5人も加わるのは非常に珍しい。審判員には60歳以上が8人おり、後継者の育成が課題となる中、即戦力として大きな期待が寄せられている。

 県高野連の審判員は全員が元球児で会社員や自営業が多い。定年退職を機に引退する人も少なくなく、人数不足が続いていた。5人の新加入で計37人となり、平均年齢は44歳と若返った。

 新人審判員で最年少の大平悠希さん(20)=徳島市吉野本町6、会社員=は、既に1回戦3試合でグラウンドに立ち、一塁と二塁の塁審のほか、17日の吉野川―名西戦では球審も務めた。「間違えてはいけないと、選手の時より緊張した」と振り返る。

 城西高の野球部時代、練習試合で審判員を経験。卒業後、「審判で母校に恩返しがしたい」と思うようになった。「ボークなどきっちりとしたジャッジで、よりよい試合づくりがしたい」と意気込む。

 岩佐拓真さん(23)=阿南市長生町、会社員=は1回戦の生光学園―城西戦で、二塁塁審を務めてデビュー。盗塁や併殺など再三、際どいタイミングでジャッジが求められたが、冷静に大きなジェスチャーをして無難にこなした。

 小松島西の選手だった岩佐さんは審判員に憧れていた。徳島工業短大を卒業後、自動車整備会社に就職。思っていた以上に仕事が忙しく、審判員になることを諦めた。

 そんな折、たまたま勤務先の会社を訪れた県高野連の審判員と高校野球の話題で盛り上がり、昔の気持ちが再燃した。時間的に余裕が生まれるよう製造業に転職し、講習会や練習試合で審判員の経験を積んだ。

 岩佐さんは「選手時代は裏方の人に支えてもらった。今度は支える側に回って恩返しがしたい。いいジャッジをすることで好プレーを引き出せれば」と汗を拭う。

 県高野連審判部の野口浩史部長(71)=徳島市八万町、不動産業=は「5人とも熱心で心強い。ミスもなく堂々と動けており、非常に助かる」と話している。