学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関する「首相案件」文書や「森友学園」を巡る決裁文書改ざん、自衛隊の日報隠蔽問題―。

 次から次へと噴出する安倍政権を巡る疑惑に、国民の不信感が高まるのは当然だ。

 共同通信社が14、15の両日に実施した全国電話世論調査で、安倍内閣の支持率は37・0%と、前回調査から5・4ポイント減となった。

 2012年の第2次安倍政権発足以降では、過去最低だった昨年7月の東京都議選直後の35・8%に次ぐ低い数字である。不支持は52・6%で、支持を上回る逆転状態が続いている。

 安倍晋三首相は政権運営の在り方を改め、信頼回復に努めなければならない。

 政権を直撃した獣医学部新設に関する愛媛県作成の文書には、15年4月に当時首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官が、獣医学部新設に関し「本件は首相案件」と発言したとの記載がある。

 首相は、柳瀬氏が発言を認めていないとし「秘書官を信頼している」などと述べた。

 だが、文書についての首相の説明には「納得できない」との回答が79・4%に上り、「納得できる」は13・2%にとどまった。県の文書と柳瀬氏のどちらが正しいのか。66・3%が柳瀬氏の証人喚問が「必要だ」としており、「必要ない」は27・6%だった。

 さらに、新設計画に関する政府の手続きは「適切だったと思わない」が68・6%を占め、「適切だったと思う」の21・1%を大きく上回った。

 行政の公正さが疑問視されている。首相は重く受け止めるべきだ。自身が17年1月だと強調する新設計画を把握した時期についても、疑念は晴れていない。首相は国民の疑問に、もっと丁寧に答えなければならない。

 防衛省・自衛隊でも、許されない事態が起きている。自衛隊のイラク派遣に関して陸自が昨年3月に資料を発見していたのに、約1年も防衛相らに報告していなかった。

 78・4%が文民統制(シビリアンコントロール)が「機能していない」としている。隠蔽体質と決別しなければ、信用は取り戻せない。

 これらの問題が厳しく問われる中で浮上したのが、福田淳一財務事務次官の女性記者へのセクハラ問題である。財務省事務方トップがこのありさまでは示しがつかない。危機感を持って、綱紀粛正を徹底してもらいたい。

 慢心が政権の緩みを生んでいることは明らかだ。一連の不祥事の影響によって、法案審議が停滞しているのは残念である。

 首相は、文書の改ざんなどを踏まえ「徹底的に調査して全容を解明し、うみを出し切る」と述べた。その言葉を直ちに実行してほしい。

 9月の自民党総裁選を控えて、「安倍1強」にも変化が見えつつある。首相に姿勢をただすよう求めるのも与党議員の大切な役割だ。