イノシシにかまれて枝を折られた場所を示す中川さん=美馬市脇町の観光リンゴ園

 美馬市脇町の山間部にある観光リンゴ園が、今年はオープンを見送る。サルやイノシシが動物よけの柵や網を突破し、成熟前の果実を食べるなど被害が大きかったため。中止は1997年の開園以来初めてで、関係者は残念がっている。

 リンゴ園は、中川芳一さん(80)=同市脇町横倉=が阿讃山脈中腹(標高600メートル)の約30アールで栽培している。「さんさ」「つがる」など230本を育て、市内の産直市に年間200~300キロを出荷するほか、脇町のリンゴをPRするため観光リンゴ園を開いている。生育状況にもよるが、例年8月上中旬から約1カ月間オープンし、100人ほどが訪れている。

 中川さんによると、10年前からサルやイノシシによる被害が出始めたため、捕獲用のおりを設置するとともに周囲を金属製の柵やトタン板で囲った。

 しかし効果は上がっていない。おりは2基設けているものの、これまでにかかったのは1回のみ。囲いは、地形上や下草処理の手入れ、経済面などの問題から全体の7割ほどにとどまっており、隙間から侵入しているとみられる。

 被害が目立つのが、高さ1・5メートル以下の低い木で、枝が折られていたり実を食べられたりしている。現状では「背の低い子どもが、リンゴの収穫が楽しめない」として中止を決めた。

 年々被害は拡大しており、近年の収穫量は97年の開園当初の3分の1ほどになっているという。

 中川さんは「丹精込めて世話をしてきたリンゴをサルやイノシシに食べられるのはつらい。どうやって防げばいいのか」と頭を抱えている。