徳島県のとくしま記念オーケストラ事業に絡む脱税事件で有罪判決を受けた東京の音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(解散)の元代表取締役川岸美奈子氏(58)が、事業を担う県文化振興財団から2013年度に演奏会の準備経費として473万円を受け取っていたことが20日、分かった。財団が14~16年度にプロダクションに支払った委託費約2500万円と合わせ、事業費とは別に4年間で川岸氏側に約3千万円の準備経費が渡っていたことになる。財団から報告を受けた県が明らかにした。

 県県民文化課によると、財団は13年度に川岸氏に会場の下見や関係者との打ち合わせなど演奏会の事前準備を依頼し、毎月7万5千円、計90万円の報酬と、東京から来県(計42回)した際の航空機代や宿泊費など301万2230円を負担。これらにタクシー代や楽譜配送料など財団が領収書を基に支払った82万114円を加え、計473万2344円を支出していた。

 13年度については、財団の規定に従って航空機代や宿泊費などを支給していたため、領収書がなく、財団はこれまでの徳島新聞の情報公開請求に対し情報開示していなかったが、その後の調査で分かった。

 14年度以降については情報公開請求で、プロダクションと財団が直接委託契約を結び、3年間に約2500万円がプロダクションに支払われたことが既に判明している。

 プロダクションには財団が業務委託した業者を経由し、事業費として13年8月から約3億6800万円が渡っていたことが分かっている。

 また、川岸氏が県内の移動で利用していたハイヤーの代金計700万円以上(13~16年度)を財団が支出しているが、今回の準備経費3千万円には含まれていない。

 県民文化課の吉成浩二課長は「川岸氏側に支払ったのはこれがすべて。他にはない」としている。