記者会見で受賞を喜ぶ(左から)辻本顧問、中内会長、南副会長=県庁

 サントリー文化財団(大阪市)は25日、地域文化の活性化に貢献した個人、団体を顕彰する「第39回サントリー地域文化賞」を、徳島市の「阿波木偶箱まわし保存会」(中内正子会長)に贈ると発表した。戦後、消滅の危機にあった1人遣いの人形芝居「箱廻(はこまわ)し」を継承し、正月に人形と共に家々を回って幸せを祈る「門付け」の伝統行事を引き継いだ点などが高く評価された。

 財団などによると、明治初期に全国で人気を誇った徳島伝統の「箱廻し」が失われつつあることを嘆いた有志15人が1995年に結成した「阿波木偶箱廻しを復活する会」が前身。中内会長(49)=同市国府町芝原=と南公代さん(52)=同=が、県内唯一の伝承者だった県西部の男性に弟子入りし、道具一式と芸を受け継いだ。

 師匠が引退した2002年からは、正月の門付け芸「三番叟(さんばそう)まわし」「えびす舞」の後継者として県内外の家々を回っている。

 次世代への文化継承についても、県内の小中高生向けに箱廻し体験教室を開催。15年にはイタリア・ミラノ万博に参加するなど、国際交流にも積極的に取り組んでいる。

 県庁で記者会見した中内会長は「私たちの小さな取り組みに光を当てていただき、感謝している。今後の励みになるとともに、次の世代に引き継ぐ責任の重さも感じている」と決意を新たにした。

 9月29日に都内で贈呈式があり、記念の盾と副賞200万円が贈られる。県内での同賞受賞は、16年のNPO法人・鳴門「第九」を歌う会に続き、2年連続6件目。