大型トラックに追突され後部が大破したマイクロバス=徳島市応神町の県警高速隊

 鳴門市大津町大幸の徳島自動車道下り車線で25日、路肩に停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し16人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで逮捕されたトラック運転手菊池誉司容疑者(50)=松山市南久米町=が居眠り運転などで前方不注視になっていた可能性があることが26日、県警高速隊への取材で分かった。追突の衝撃でバスが約40メートル前方に押し出されていたことも判明。県警は事故原因を慎重に捜査している。

 捜査関係者によると、菊池容疑者が「前をよく見ていなかった」と認めていることや、事故現場に明確なブレーキ痕が見当たらないことから、居眠り運転などの可能性が浮上している。

 一方、事故現場の直前にある鳴門ジャンクション付近の2車線から1車線に減少する地点で、菊池容疑者のトラックが後続の車に注意を促すためウインカーを点滅させて走行するなど、異常は見られなかったというドライバーの目撃情報もある。県警は事故に至るまでの状況の解明を進めている。

 現場から約2キロ手前の鳴門インターチェンジの通過記録を調べたところ、バスとトラックは約30分の時間差で通行していたことが判明。バスが事故現場に停車していた時間は30分程度とみられることが新たに分かった。

 県警は週明けにも、事故の原因究明に向けて菊池容疑者が勤務する松山市の運送会社「東西物流」を家宅捜索する方針。バスを運行していた阿波市の「阿波中央バス」への家宅捜索も検討している。

 一方、四国運輸局と松山労働基準監督署は26日午後1時10分から、東西物流に立ち入り検査に入った。担当者5人が約2時間かけて和田康男社長から労務管理や安全管理の状況などを聴取したほか、保管されている書類を調べた。

 運輸局と労働基準監督署のいずれの担当者も検査終了後の取材に対し、法令違反があったかどうかについて明らかにしなかった。

 事故は25日午後5時ごろ発生。故障のため路肩に停車していたバスに菊池容疑者のトラックが追突し、バスが道路脇の土手に転落した。車外に出ていたバス運転手岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=と、車内にいた海陽町宍喰浦、富岡西高1年森下汐音さん(15)が死亡した。