鳴門市大津町の徳島自動車道でマイクロバスに大型トラックが追突し16人が死傷した事故で、事故の約30分前から現場の路肩に停車していたとみられるバスからは、NEXCO西日本や県警に「故障で停車中」との通報がなかったことが30日、関係者への取材で分かった。徳島運輸支局は運輸規則に違反する疑いもあるとみて、バス運行会社の阿波中央バス(阿波市)に近く立ち入り検査をする。

 NEXCO西日本と県警によると、運転手の岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸、事故で死去=と阿波中央バスのいずれからも通報はなかった。県警は事故発生後の110番でバスが停車していたことを把握し、NEXCOは県警からの連絡で情報を得た。

 徳島運輸支局によると、道路運送法の旅客自動車運送事業運輸規則で「事業用自動車の運行を中断したときは旅客の保護など適切な処置をしなければならない」と定められている。

 今回の事故では路肩での停車を通報していなかった点や、乗客を安全性の高いガードレールの外に避難させていなかったことなどが、同規定に違反し、行政処分の対象になる疑いがあるという。

 NEXCOも故障で停止した場合の対応として、三角表示板を車両後方に置くとともに非常電話や道路緊急ダイヤルで状況を通報するよう呼び掛けている。通報があれば情報板で注意を促したり、交通管理隊が出動して車線規制をしたりできた可能性もあるが、今回の事故でこれらの対応は取られなかった。

 事故は25日午後5時ごろ、鳴門市大津町の徳島道下り線で発生。故障のため路肩に停車していたバスにトラックが追突し、岡本さんと富岡西高1年の女子生徒(15)が死亡した。

 県警のこれまでの調べでは、トラックを運転していた菊池誉司容疑者(50)=松山市南久米町=の前方不注視が事故原因とみられている。