徳島県の包括外部監査で、砂消しゴムを使って、決裁済み書類の金額を書き換えるなど、県のずさんな公文書の扱いが浮き彫りになった。

 監査報告書では、こうした書き換えは許されない行為と断じ、「いつ、誰が、どのような経緯、手続きを経てなされたものか分からなくなる。不正な改ざんの発見、正当な訂正であることの裏付けが困難になる」と戒めている。

 森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん、防衛省の日報隠蔽(いんぺい)で、国の公文書管理のずさんさが明るみに出ている。行政への信頼を揺るがしかねない問題が、県でも起きていたことを深刻に受け止めなければならない。公文書管理の改善が急がれよう。

 今回の外部監査では32件の随意契約を調べたところ、5件で砂消しゴムによる書き換えが見つかった。これは氷山の一角で日常的に行われていたのではないか。県は、書き換えがどこまで広がっていたのかを調査する必要がある。

 では、なぜ書き換えが行われたのか。

 一例を見ると、選挙管理委員会のミスで選挙公報を再印刷して320万円の損害を出し、契約額が1219万円に膨らんだため、決裁済みの書類の支出予定額を砂消しゴムで消して950万円から1250万円に変更していた。

 県の文書規定では「金額その他重要部分の字句を訂正したときは、その箇所に押印する」と定めている。担当課は、この規定を職員が知らなかったことを原因に挙げる。

 外部監査人が悪意のある改ざんを否定しているとはいえ、県職員の公文書に対する意識の低さにはあきれる。

 しかも県は公文書管理の改善に積極的とは言い難い。

 飯泉嘉門知事は定例会見で、財務省の文書改ざんに対して「あってはならない話。官僚組織が信頼されないものになってしまう」と厳しく批判した。だが、外部監査報告後の定例会見で、県の書き換えについて問われ、「昔は起案書類の作成に砂消しゴムを使ったものだが、いまだにあったことにびっくりした」と人ごとのようだった。

 公文書と情報公開は車の両輪とされる。公文書は道路やダムといった公共工事の記録、議会の各種議事録、日直日誌を含む教育文書など多岐にわたり、いずれも情報公開の対象となるからだ。

 公文書管理法では、公文書に関し「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」と規定。地方公共団体に対して、文書の適正な管理に必要な施策を策定し、実施するよう求めている。

 総務省によると、公文書管理のルールを内規ではなく、条例で定める都道府県は昨年10月時点で5都県にとどまっている。公文書に対する役人の意識を変え、住民の知る権利を保障するためにも条例を制定すべきだ。