徳島県警は20日、県北部の70代女性が、名義貸しを巡るトラブルを装った和解金名目で1700万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。今年発生した特殊詐欺では最多の被害額。

 捜査2課によると、7月下旬、女性宅に架空会社への出資を呼び掛ける内容のパンフレットが届いた。その後、女性宅の固定電話に、実在する大手企業の社員を名乗る男から「私もその会社(架空会社)の株を買うのだが、権利を譲ってほしい。確認の電話があったら私を親戚と言ってほしい」と連絡があった。

 女性は返答をしなかったが、架空会社の社員や警察官、弁護士をかたる男から電話がかかってくるようになり、「大手企業の男があなたが親戚だとうそを言い、株を買う詐欺をした。あなたにも逮捕状が出ている」「罪を逃れるには和解金が必要」などと女性に迫った。

 女性は銀行の定期預金を解約し、8月下旬~9月上旬に3回に分けて計1700万円を箱に詰め、コンビニエンスストアから指定された東京都内の住所に宅配便で送った。

 同じ架空会社のパンフレットを使った同様の詐欺被害は全国的に多発している。県内では6月、県西部の80代女性が900万円、徳島市の80代女性が約450万円、それぞれだまし取られた。

 県警は「パンフレットやダイレクトメールを送り付けて名義貸しを持ち掛け、犯罪行為だと不安をあおる手口は詐欺と疑ってほしい」と注意を呼び掛けている。県内の特殊詐欺被害は19日時点で55件約8574万円に上っている。