東日本大震災の津波で死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校の児童74人のうち、23人の遺族が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁が約14億3600万円を支払うよう市と県に命じた。

 学校側に法的責任があったとした一審より、さらに厳しく責任を認定した内容である。徳島県など、地震に伴う津波被害が想定される自治体は、高裁の踏み込んだ判断を今後の防災対策に生かさなければならない。

 控訴審では、震災前の市や学校の防災体制が適切だったかどうかが主な争点だった。

 一審は防災体制の不備を認めなかったが、高裁は震災前に津波の危険性は十分に予見できたとし、学校の危機管理マニュアルを改定する義務を怠ったと認定。一審判断を覆し、学校側の対応に過失があったと断じた。

 その上で一審と同様に、地震発生後に津波の危険は予見できたと指摘し、学校側が児童を裏山へ適切に避難させなかった義務違反を認定している。

 津波被害を巡る訴訟で、発生前の学校や企業の組織的過失を認めた初の判断である。教師に従った多くの児童が犠牲になったことを、高裁が重くとらえた結果だろう。自治体や学校はしっかりと受け止めるべきだ。

 判決が、市や県が震災前に定めていたハザードマップにも触れ「大川小を浸水区域外にし、避難場所に指定していたのは誤り」と指摘した意味は大きい。

 避難に関するだけでなく、現行の防災計画全般が本当に適切かどうか。徳島の自治体も再点検を迫られているといえよう。