ご飯が炊きあがるまでの時間は1合でも3合でも変わらない。炊飯器の説明書にはおおむね50分前後が必要とある。コメをとぐ時間や、よりふっくらと仕上げるため水にしばらく浸しておく時間を加えると、30分は余計にかかる。ご飯を炊くというのは結構面倒な作業である
 
 <玄関開けたら2分でご飯>という文言が初めてテレビに流れたのは、バブル景気のころ。パックご飯のCMだ。20秒弱の間、このフレーズが呪文のように繰り返された
 
 斬新なCMもさることながら、温めるだけで手軽に食べられるパックご飯の誕生は衝撃だった。当方、大学生の時。自炊に難儀する一人住まいの身には革命的な商品だった。同じ印象を受けた人は他にもおられよう
 
 登場からおよそ30年がたち、パックご飯の国内生産量が伸びている。2017年は約19万トンとなり、2年連続で過去最高を更新した。00年の2・4倍というから目を見張る成長ぶりである
 
 高齢者や単身世帯の需要が支える。さらに業界の見立てでは、東日本大震災で食べる機会が増え、常日頃の食事に利用されるようにもなっている
 
 南海トラフ巨大地震への備えを考えると、非常食と日常食を兼ねてパックご飯に慣れ親しむのは有効だろう。ただ、コメ全体の消費は低調で、50年前のピークから半減しているのが気掛かりだけれど。