希望の党と民進党が5月7日に、新党「国民民主党」を結成することで合意した。

 来夏の参院選を見据え「安倍1強」に対抗する勢力の結集を狙うが、新党への不参加の動きが拡大しており、衆参両院で60人規模を確保できるか微妙な情勢だ。

 巨大与党に対抗できるかどうか、甚だ疑問である。

 希望の玉木雄一郎代表と民進の大塚耕平代表が進めた新党構想は、党内で幅広い理解を得られなかったと言える。

 希望は、保守系の松沢成文参院議員団代表らが分党して新党を設立し「希望の党」の名称を引き継ぐ方向だ。

 民進では、衆院会派「無所属の会」を率いる岡田克也常任顧問らが立憲民主党との関係を重視し、参加を見送る。リベラル系の小川敏夫参院議員会長は立憲民主入りを志向し、ほかにも議員が離党する見通しを示した。

 立憲民主の枝野幸男代表は「立憲の理念、政策に賛同し、個人の判断で一緒に政治行動をしたいという方がいれば大歓迎だ」と述べた。

 もはや、希望、民進は四分五裂の状況である。

 それでも、希望の玉木代表は「自民党政権に代わるもう一つの政治勢力を結集する第一歩だ」と述べ、民進の大塚代表は「現在の支持率は気にしていない。ゼロからの出発だ」と強調する。

 だが、「数合わせだ」との批判は避けられない。国民の信頼を得るのは容易ではあるまい。

 新党結成を急ぐのは、参院選の前哨戦となる統一地方選を来春に控えているという事情があるからだ。

 昨年10月の衆院選の前に、民進党が希望や立憲民主に分裂してから、1年もたっていない。新党に新鮮味が乏しいのは当然である。

 離合集散は政界の常とはいえ、選挙をにらんで消えては生まれる政党の在り方に、疑問を禁じ得ない。

 希望と民進が合意した新党の基本政策は▽安全保障関連法は、憲法違反と指摘される部分を白紙撤回することを含め、必要な見直しを行う▽2030年代原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入-などとしている。

 民進党系は旧民主党時代から今に至るまで、路線対立が絶えなかった。新党では、憲法などの基本政策の下で、一致結束することが大事だ。

 活路を開くためには、野党間の協力も欠かせない。

 野党は国会で、森友・加計(かけ)学園問題や自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)疑惑、官僚の不祥事などを巡って、安倍政権への追及を強めている。

 今、野党勢力の足並みが乱れれば、疑惑に揺れる政権を利することになる。新党結成で禍根を残してはならない。

 大切なのは、国民の生活向上のために建設的な提言を行いながら、行政を厳しくチェックする役割を担うことだ。

 新党は明確な政権ビジョンを示し、政策論争を挑んでもらいたい。