徳島を7試合ぶりの勝利に導く活躍を見せたMF前川大河=鳴門ポカリスエットスタジアム

 3日の愛媛FCとの四国ダービーで、前川大河が7試合ぶりの勝利を引き寄せるゴールを挙げた。勝ち星に見放され、ここ3試合は得点もなく迎えたホーム戦。出場停止や負傷者もあって、メンバーが十分にそろわない苦境を打開した。前川にとって昨年5月7日の岡山戦以来ほぼ1年ぶりのゴールは、ホームでの初ゴールにもなり「自分が点を取ってチームの勝利に貢献できたのがすごくうれしい」と喜びを口にした。

 前川はFWに近いポジションで出場。トップ下でボールを運んだり、パスを出したりと、攻撃へのつなぎ役となることに加え、ゴール前にも積極的に顔を出した。前半、相手ゴール近くまで迫る回数が増えながらも、シュートには至らない。迎えた21分、もやもやしたスタジアムの雰囲気を一変させた。

 中央から左サイドの杉本竜士に大きく展開。サイドからドリブルでペナルティエリア近くへ切り込んできた杉本がゴール前にクロスを送ると、走り込んできた前川が最後はダイビングヘッドでネットを揺らした。待望の先制点が、チームを勢い付け、会心の勝利に導いた。

 昨季、プロ入り後で最多となる37試合に出場。シーズンを通して試合に出て、大きく成長を遂げた。豊富な運動量で、ボール運び、パス出しと中盤を支える。MF杉本太郎ら攻撃陣の柱を欠く苦しい状況の中、「『自分がやるしかない』と強い気持ちでできたのがよかった」とチームの中心選手としての自覚も感じさせた。

 得点シーンを振り返り「(杉本)竜士君の得意な形で、練習でもよくそこにボールが来ていたので信じて走った」。新戦力と既存の戦力がうまくかみ合って生まれたゴールは、3月の千葉戦以来となる、流れの中からの得点で、今後のチームに勢いをもたらすのは間違いない。

 昨季、ゴール数は「2」と物足りない数字に終わり、今季は「結果にこだわる」と、プレシーズンの練習試合でゴールを決めるなど得点への意欲をみせていた。リーグ戦では開幕からなかなかネットを揺らせず、ようやく結果を残すことができた。リーグ戦では久々となるゴールに「1年ぶりというのは恥ずかしい」と言いながらも「得点の感覚という部分ではよかったかなと思う。ここから(もっとゴールを)取れれば」と手応えを感じた様子。

 勝利の立役者は試合後、スタジアムのサポーター席からも指名を受け、勝利を祝って選手と観客が一体となって行う「タオルマフラー回し」の先導役となった。渋っていると、チームメート、最後は岩尾憲キャプテンに促され、一歩前へ出て「立ち向かえ戦士たち」と、チャント(応援歌)の最初のフレーズを歌い、勝利の喜びを分かち合った。

 次戦、そしてこれからのシーズンに向けて「これまでとやることは変わらず、もっと自信をもってやっていきたい」と意気込みを示し、ますますの活躍を期待させる。結果を残せば再びタオルマフラー回しでの声出し役が回ってきそうだが、この役回りは苦手そうで、なかなか難しいかもしれない。