子どもは将来の社会を担う尊い存在である。子どもたちが個性豊かで健やかに成長するよう育むのは、大人に課せられた責任だ。これは子どもの数が多かった時代も、少子化の今も変わらない。

 きょう5月5日の「こどもの日」に、あらためて子どもとの関わり方を考えよう。

 徳島市内で1カ月前、職業体験イベント「キッズタウンとくしま」があった。参加した子どもたちが皆、生き生きとしていたのが印象深い。看護士や自動車整備士、パティシエなどの仕事で一人一人に役割が与えられた。苦労してでもやり遂げることで、自信を得ていたようだ。

 日本の子どもに見られる傾向として、自己肯定感が諸外国より低いとの指摘がある。

 国立青少年教育振興機構が高校生を対象に行った3年前の調査では、「自分はダメな人間と思うことがある」との回答が日本では72%にも達した。韓国の35%や米国の45%と比べるまでもなく、高すぎる水準である。

 自己肯定感の欠如は、生きづらさにつながりかねない。自分自身を悲観的にとらえる子どもたちに希望を持たせるにはどうすればよいか。

 他人に認められ、必要とされている。そう子どもたちが思えるように導いていくことが大事だ。

 キッズタウンでは、子どもが困っていれば声を掛け、一緒に解決する大人たちの姿が頼もしく見えた。大人との有意義な触れ合いは、子どもを成長させる。私たちはもっと家庭や社会で子どもたちと遊び、共に学びたい。

 全国各地で開かれている「子ども食堂」をそのモデルケースにしてみてはどうか。

 当初は、子どもに無料か安価で食事を提供する貧困対策として注目されたが、今では中高年も一緒に誰もが交流できる場としてますます広がっている。徳島県内も8カ所で定期的に開かれている。

 活動を続ける上でネックになるのは資金繰りだ。お金の悩みを一人で抱えると無理が生じる。多くの人が関わることで個々の負担を軽くし、息の長い活動として定着させてほしい。

 近年、経済格差に伴う貧困と合わせて、深刻になっているのはインターネットによる危害の増加である。

 国連児童基金(ユニセフ)は2017年版の世界子供白書で、個人情報の悪用や有害なコンテンツの閲覧、会員制交流サイト(SNS)でのいじめなど、ネットを介した被害の広がりに警鐘を鳴らしている。憂慮すべき事態だ。

 ネットを悪用した事案は判明しにくい場合が多い。子どもたちが危険にさらされていないか、家庭や学校でいっそう注意深く見守るようにしなくてはならない。

 「あと一歩 力になるよ その思い」。きょうから始まる児童福祉週間の標語である。かつての日本社会のように、地域で子どもを育む。そんな思いを新たにしたい。