福島県産農産物の2017年度輸出量が約210トンになり、過去最高を記録した。

 東京電力福島第1原発事故から7年余り。風評被害を払拭(ふっしょく)しようと、関係者が熱意を持って地道に活動してきた結果にほかならない。

 特にコメの増加が際立った。マレーシアだけで約101トンを輸出している。内堀雅雄知事が現地を訪れ、商談したトップセールスが功を奏したようだ。特産のモモやカキ、ナシも東南アジア向けが大幅に増えている。

 福島県の農産物は厳しい放射性物質検査を経て出荷されている。全量全袋検査を行っているコメは15年産以降、抜き取り調査の野菜・果物は13年度から国の基準値内に収まっている。こうした取り組みへの理解も輸出の増加につながったのだろう。

 だが、農産物を含む福島産食品の取り扱い状況が十分に好転したとは言えない。

 中国など27カ国・地域では、今も福島産食品への輸入規制が続く。事故直後の54カ国・地域の半数なのは風評が根深いことの表れだ。

 3月には、福島県がタイで開く予定だった県産ヒラメの販売フェアが、地元消費者団体の反発で中止になる出来事もあった。ヒラメから放射性物質は検出されておらず、現地の反応は残念でならない。

 国や福島県は今後もあらゆる手を尽くして安全性を周知し、規制撤廃を働き掛けていく必要がある。私たち消費者は不確かな情報に惑わされず、正しい知識を持つよう心掛けたい。