猪井さんが作った秘曲「紅葉合」を紹介する冊子=吉野川市鴨島町牛島の自宅

 県内に伝わる箏曲の中で秘曲とされる「紅葉合(もみじあわせ)」を子どもたちに知ってもらおうと、16代目の伝承者である吉野川市鴨島町牛島の箏(こと)奏者猪井恵美子さん(64)が、分かりやすく紹介する漫画の冊子(B5判、7ページ)を作った。幅広い世代に曲の魅力をPRし、保存と伝承につなげる。

 漫画では、紅葉合がもともと謡曲だったことを紹介し、箏で弾く曲に作り直した経緯、伝承に携わった人物などについてオリジナルキャラクター「紅葉ちゃん」「ことちゃん」が解説している。
 
 ストーリーは猪井さんが考え、絵は猪井さんの親戚でイラストレーターの斉藤愛さん(29)=東京都練馬区=が担当した。

 紅葉合の弾き手は、1959年に14人目の伝承者福島ウノさんが亡くなった後はいなくなったものの、猪井さんの師匠の原田恵津子さん(故人)が現代によみがえらせた。猪井さんは原田さんの遺族から譜面を受け継ぎ、次世代への邦楽継承に取り組む中で紅葉合の保存や浸透にも力を入れている。

 300部製作。19日に徳島市の徳島城博物館で催す演奏会「第2回 阿波秘曲『紅葉合』」で、来場した子どもらに配る。

 猪井さんは「紅葉合ができた背景や伝承の歴史を知ると、秘曲への関心がより高まって演奏も楽しめる。家族で一緒に見てほしい」と呼び掛けている。