日銀が「2019年度ごろ」と明示してきた物価上昇率2%の目標達成時期を削除した。

今回発表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)は、19年度以降の経済情勢には下振れリスクが大きいと分析。18年度の物価上昇率は前回の1・4%から1・3%に下方修正した。

この状況では、日銀が、目標時期の達成が厳しくなったとみるのも無理はない。これまで達成時期を6回も先送りしてきた経緯を踏まえれば、次の目標時期は示しづらいだろう。

日銀は物価上昇の方向性は変わっていないとして、大規模な緩和策は据え置いた。

しかし、そろそろ出口戦略に道筋をつける時期に来ている。

黒田東彦総裁が「異次元」と呼ぶ緩和策がアベノミクスを支え、景気回復に一定の役割を果たしてきたのは確かだ。

その一方で、緩和策の副作用も見過ごせない。

超低金利の長期化で、多くの銀行は、貸し出し利ざやが低下し、本業の収支が圧迫されている。店舗再編や従業員の削減に乗り出し、影響は地方支店にも波及した。

地方銀行も、経営統合や合併、連携とあの手この手で優良な新規融資先の確保と経費節減に努め、経営効率化を図るが、自助努力には限界もある。

企業活動を支える金融機関が疲弊すれば、地域経済にも重大な影響を及ぼす恐れがある。

日銀は物価目標を追うのではなく、金融機関の健全経営を重視し、適切な金融政策を取ってもらいたい。