米軍機の低空飛行による騒音被害を把握するため、徳島県が牟岐、海陽両町役場の屋上に設置している騒音測定器が10月22日の台風で故障し、測定できなくなっている。運用する両町が県に修理を依頼したにもかかわらず、県が1カ月以上にわたって放置したため、測定再開は来年1月までずれ込む見通しという。今月に入って県南部で相次いでいる低空飛行の観測データも得られておらず、県は「申し訳ない」と謝罪している。

 県総務課は徳島新聞の取材に対し「11月に米軍機の目撃情報がなかったので油断があった」と説明している。修理が完了するまでの間、別の機材をレンタルして配備することも検討するとした。

 測定器は2014年3月、県が牟岐町役場と海陽町役場海南庁舎の屋上に設置し、両町が運用している。低空飛行の情報があると、県は両町から観測データの提供を受け、それを基に外務省と防衛省に対し、米軍に低空飛行訓練の中止を求めるよう要請している。

 両町によると、10月22日に県内に最接近した台風21号によって測定器のマイクが破損した。正確に測定できなくなったことに気付いた両町は直後の25日ごろ、設置者の県に修理を依頼。両町の職員が故障したマイクを取り外して県庁に持ち込んだが、県が業者に引き渡したのは12月1日だったという。代替機の手配もしていない。

 測定器が故障した後、12月6、7両日と12日に両町上空を通る米軍の飛行訓練ルート「オレンジルート」で低空飛行が目撃されている。県は、これらの飛行について、観測データ抜きで外務省などへの要請をしたという。

 県総務課によると、県内で飛行が確認されたのは16年度は7日、本年度は現時点で6日。