JR四国が2018年3月期決算を発表した。連結売上高は前期比4・7%増で2期連続の増収。純利益は88・6%減となったものの5期連続で黒字を確保した。

 ただ、経営は楽観を許さない。1987年4月の民営化以来、主力の鉄道事業の収支改善に力を注いできたが、このところ低迷が続いている。

 そんな状況で、鉄道事業以外への収益依存がかつてなく強まっているのが実態だ。

 とりわけ不動産部門の伸びが顕著だった。高松市での分譲マンションの売り上げ14億3千万円などが寄与し、売上高30億円を計上した。

 鉄道と高速バスを含む旅客運輸部門の316億円との差は大きいが、伸び率は前期のほぼ2倍である。ホテル部門も1・6%増だった。

 マンション販売やホテル運営など非鉄道部門の業績を伸ばすのは、2012年発表の中長期計画に盛り込まれた戦略である。決算の内容を見る限り、計画はほぼ順調に進んでいると見ていいだろう。

 ホテル運営はインバウンド(訪日外国人旅行者)対策の一環でもある。4月には鉄道管轄外の京都市に小規模の宿泊施設をオープンさせている。伸びしろが大きいインバウンド需要を取り込む施策は有効だ。好機を逃さず、成果を上げてほしい。

 本業の鉄道に絞った旅客運輸収入も1・5%増だったとはいえ、ピークだった1996年度の370億円の3分の2にとどまっている。利用度の指標としている「1キロ当たりの一日平均旅客輸送人員」はほぼ前期並みを維持できたが、管内の全20線区のうち8線区は前期実績を下回った。

 本県を走る牟岐線の牟岐-海部間は1日232人と最も少なく、6・6%の減り幅は線区中で最大だ。減少傾向に歯止めをかけたい。

 四国の人口は2045年に、現在より2割以上減るとの予測がある。四国横断道・徳島-阿南間の整備や高松自動車道の4車線化などが進めば、高速道路との競合もさらに厳しさを増すだろう。

 今後なお一層の利用者減を招く環境に直面しているとの見方は、強くなるばかりだ。

 マンション販売が順調だったとはいえ、17年度で119億円に上る旅客運輸の赤字を補う水準には、到底及ばない。穴埋めの頼みの綱である経営安定基金(2082億円)の運用益も、景気に左右され安定していない。

 課題である鉄道利用を上向かせる取り組みに、もっと力を注ぐべきだ。

 インバウンドや四国外の利用客をどう鉄道に引き込むか。4県知事や学識経験者らによる懇談会が昨夏から、鉄道の在り方について議論を続けている。実効性のある策を打ち出すことが求められる。

 自動車の運転免許を持たない高齢者や中高生らにとって鉄道は現在も重要な社会インフラである。大切な路線を残すため、私たちも積極的な利用を心掛けてはどうだろう。