徳島県のとくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)事業に絡む脱税事件で起訴された東京の音楽プロダクション元代表取締役の川岸美奈子被告(58)が演奏会などで来県した際に、移動手段としてハイヤーが用意されていたことが15日、県が議会に提出した資料で明らかになった。ハイヤーの利用が常態化していたとみられ、代金は県や県文化振興財団などが支払っていた。厚遇が過ぎるとの声も上がりそうだ。

 山田豊県議(共産)の質問趣意書に県が文書回答した。それによると、県内2度目の国民文化祭が開かれた2012年度は、国文祭実行委員会が21日間にわたってハイヤーを借り上げ、計20万6700円を支出していた。

 13年度以降の記念オケ事業については、県文化振興財団がハイヤー代を負担。市町村が主催する演奏会の際のハイヤー代も財団が負担していた。

 ハイヤー利用の理由について、県は「会場の確認や打ち合わせなど、限られた時間の中で効率的に移動する必要があることや、臨機応変に対応するための移動手段として長時間にわたり車両を拘束しておく必要がある」と説明。

 市町村での演奏会時も財団が負担していたことについては「複数の市町村にまたがることもあるほか、将来の演奏会に向け県内の様々な施設を事前に調査する場合もあり、各市町村の演奏会経費ではなく、総合調整を担う財団が負担していた」としている。

 13年度以降に財団が支出したハイヤー代は「関係書類を保有していない」と回答。また、飯泉嘉門知事と川岸被告との会食については「会食した事実はない」と否定した。

 山本準鳴門教育大学大学院教授(社会学)は「県内での交通費は当然ながら(川岸被告への)委託料の中で賄われるべきで、財団が負担するのは不自然だ。特別待遇と言わざるを得ず、県民の理解は得られないだろう」と指摘している。