インタビューに答える宮田会長=徳島市の徳島グランヴィリオホテル

 三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行の取締役会長を務める宮田孝一氏(64)=小松島市出身=が15日、徳島県経営者協会主催の講演会のため来県し、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで徳島新聞のインタビューに応じた。他のメガバンクが店舗や従業員の大幅な削減を検討していることに関し、「顧客の利便性を落とせば本末転倒になる」と同様の合理化策は取らない考えを示した。一問一答は次の通り。

 -マイナス金利政策や人口減で国内の金融機関を取り巻く環境は厳しい。

 利ざやは細っているが、幸いにもメガバンクの私たちには何通りものビジネスがある。相続や資産運用、事業の引き継ぎなどいろんな形でお客さまのお手伝いができる。単に貸し出し利ざやを稼ぐだけでなく、別のサービスで手数料を頂くビジネスに力を入れている。海外39カ国に拠点を持っており、日本企業の海外進出をお手伝いする役割も担っている。

 -三菱UFJ、みずほの両フィナンシャルグループが店舗の削減を検討している。

 店舗のニーズは間違いなく今も残っている。相続などのコンサルティングはスマートフォンではできない。だから国内の430店舗をこれからどんどん減らすという方向には考えていない。ただ、店の質は変える。お客さまの課題を解決できるプロフェッショナルを店に置く。事務を機械が肩代わりすれば店舗に空きスペースができる。そこに証券の店舗を入れる選択肢もある。

 -従業員の削減は。

 機械の導入で今後3、4年で4千人分ぐらいの事務量をまかなえるとみている。この4千人をどう使うか。勉強してもらって別の事業に振り向ける。雇用をつくるのも企業の責任なので、人の数を単純に減らすつもりはない。

 -徳島県内に三井住友銀行の支店はないが、徳島の地銀と連携できないか。

 それぞれの得意分野を生かし、一緒に県内企業のビジネスを手伝えると思っている。地域に根差した分野では明らかに地元の銀行が詳しい。県外や海外でビジネスを大きくしたいという場合には私たちの方がうまくやれる可能性がある。一緒に取引先を成長させることが大事だ。


 ■「vs東京に感銘」 講演で宮田会長

 三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行の宮田孝一会長は15日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルであった県経営者協会創立70周年記念特別講演会で、「2018年の日本経済の見通しと徳島への思い」と題し講演した。

 宮田氏は県の政策コンセプト「vs東京」を取り上げ「東京に勝てる価値を徳島で改めて探し、それを磨いてアピールする。そんな取り組みで徳島を元気にしていく姿勢に感銘を受ける」と話した。

 その上で、コンセプトを成功させるため、ICTを取り入れたテレワークやスマート農業の推進などの取り組みに力を入れるよう呼び掛けた。