忘年会シーズン終盤となった徳島市の歓楽街。客離れが深刻化している店が少なくない=同市栄町

 徳島市中心部の歓楽街で、客離れが深刻化している。忘年会シーズンも終盤だが、スナックやラウンジといった「2次会の店」では予約が低調。代行運転業者も利用客が少なく悲鳴を上げる。ここ5、6年は多くの店で売り上げが減り、閉店も相次いでいる。安倍晋三政権下で各種経済指標は上向いているものの、地方には波及していない。若者の「酒離れ」も相まって、夜の街には景気回復の兆しが見られない。

 市内の秋田町と栄町、鷹匠町、紺屋町、富田町のスナックやラウンジ、バーの経営者らでつくる県社交飲食生活衛生同業組合によると、1985年の発足時に500近くあった加盟業者数は150余りに減った。10年前から数は変わらないが、毎年10業者ほどがやめ、同数の業者が新たに加盟する状況が続く。

 吉田禎之(よしゆき)理事長(71)によると、居酒屋などで飲食する1次会だけで終わるケースが増えている。吉田理事長は「企業の利用が少なくなっている上、若い世代を中心に酒を介した付き合いが減っている」と話す。

 各店からも嘆き節が聞かれる。40代女性が栄町で営むスナックは売り上げがここ5年で5~6割減少。客層の大半を占めるシニア層が定年退職するなどして、1人当たりの来店回数が少なくなった影響が大きいという。

 人件費を抑えるため4、5人ほどいた女性スタッフも今は1人だけ。女性経営者は「酒の仕入れ代も上がっており、経費をこれ以上削るには、もっと家賃の安いビルを探すしかない」と語る。

 代行運転業者は少ない客の争奪戦を展開。市内の27業者でつくる徳島東自動車運転代行業安全運行管理者協議会の紀田豊久会長(67)は「協議会に加盟していない業者を含め、値引きする業者が増えている」と言う。

 紀田会長によると、交通費を抑えるため徳島駅前の店で宴会を開き、JRを使い帰宅するケースが増加。紀田会長が経営する中央運転代行では、こうした宴会客の中にも車を使う人がいるとし、駅前の数店舗から客を回してもらっている。郊外の飲食店にも得意先の店を持つようになったといい「歓楽街で商売するだけではとても生き残れない」とこぼした。