徳島県警は18日、実子に対する監護者わいせつ容疑で、県内に住む会社員の50代男を逮捕、送検したと発表した。性犯罪を厳罰化した昨年7月施行の改正刑法で新設された同容疑を、県内で適用するのは初めて。

 逮捕容疑は、2月上旬、自宅の一室で10代の長女と2人きりになった際、長女の体を触るなどのわいせつ行為をしたとしている。

 県警は関係者からの相談で事件を把握し、今月17日に男を逮捕、18日に送検した。男は「間違いない」と容疑を認めているという。

 監護者わいせつ罪では、親などの「監護者」が立場を利用して18歳未満に性的な行為をした場合、暴行や脅迫がなくても罰せられるようになった。家庭内での性的虐待が念頭にある。法定刑は強制わいせつ罪と同じ懲役6カ月以上10年以下。

 県警は、被害者の特定につながる恐れがあるとして、被害者保護の観点から、容疑者の住所や氏名などを非公表にした。

 ◆徳島県内の性的虐待相談数は年数件 氷山の一角か

 徳島県内の児童虐待件数は増加傾向にあるが、性的虐待は毎年10件以下で推移している。ただ、虐待への関心が高まり、社会的認知度が向上しても、家庭内での性的被害は表面化しにくいのが現状だ。

 2016年度に県内3カ所のこども女性相談センターが対応した児童虐待は658件で、うち性的虐待は4件だった。相談件数が過去最多だった14年度(710件)でも、性的虐待はわずか6件。16年度から過去5年間の性的虐待の相談件数は、全体の3%以下にとどまる。

 身体的虐待などに比べて性的虐待は潜在化しやすく、センターなどに相談があったのは氷山の一角とみられる。常磐大(水戸市)元学長の諸澤英道教授(被害者学)は「今回のような監護者わいせつ事件の摘発がきっかけとなり、被害者が声を上げるようになるかもしれない」と期待を寄せる。一方で「特に実父からの被害を受けた場合、娘の精神的なダメージは大きい。心のケアをしっかりとしていくことが重要だ」と指摘した。